素直であっても騙されないために

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素直に人のいうことを聞いていると、簡単に騙されることがあります。
逆に、騙されるのではないかと疑って誰のいうことも聞かないでいると、孤独になったり苦しくなることがあります。
ある程度素直であることは身を助けます。
本当にいいアドバイスや意見や情報をしっかり受け取ることができるからです。
でも、ある程度疑り深いことも身を助けます。
騙してやろうという輩から嘘の情報や悪意をかわすことができるからです。

これまでWE GiRLs CANでは毎月勉強会を行ってきましたが、その中に「占い・スピリチャル・ロジカルシンキング」というテーマがあります。人生の帰路に立ったとき、私たちが頼るものについて勉強してより賢い選択ができればという思いでやっています。
占いは卑弥呼に見られるように政治と関わっており、国家の未来を決める対局において亀の甲羅を使って神託を得て意思決定の補助としていたようですし、どんな人も自分の力が及ばないところまで努力し切った後は人智を超えた存在に任せて祈ることがあります。また、データを駆使してロジカルに考えて最善を選ぶという考えもあります。

何を頼りに選択を行うにせよ、選択ツール自体を選ぶ必要があり、そういった意味では私たち人間には選ばないという選択肢はないといってよいでしょう。

では、選択という意思決定において賢くいるためには何が必要なのでしょうか。つまり、最終的に頼れるものとは何でしょうか。

脳科学の世界では論理的な意思決定には感情が必要であると言われています。

これは心理学者ユングがたてた心理的機能モデルの「思考・感情・感覚・直感」と合致しているように思えます。普段私たちが非合理的だと思っている「感情」はこのモデルにおいては「思考」と並んで「合理的機能」と分類されています。感情が一定の内的法則に従って好き嫌いや快不快を決めるからです。
一方で、感覚は外界の刺激をそのまま感じる機能、直感は本能的な反応と定義され、「非合理的機能」と分類されています。

「感覚」により引き起こされた自分の「直感」(本能)あるいは「感情」(好き嫌い)という意思をきちんと「思考」で捉えられる限りは、自分は素直に聞いていい相手なのか内容なのか判断ができるといってもよいのかもしれません。

私は自分の経験からも最初の段階で直感としても感情的にもレッドフラッグが出ているなら「No」なのだということがわかりました。嫌なことを言ってくる人がどんなに「それはあなたのためだ」と言いくるめようとしてきたとしても、疎まれ嫌われる覚悟で苦言を呈する人と他の目的で嫌なことを言う人は最初から印象が違うものですよね。言われたときの私の心の反応も違います。

感情的になって抗議した時に「ほら、あなたは感情的だから正しい判断ができない」と言われて、心底自分も相手も嫌いになった覚えがあります。

でも、感情が論理的な意思決定に必要だと知っていれば、そんなこと言われたところで傷つかないでいられるようになりますね。

その上、感情を大切にする社会なら、誰も感情的になることを恐れて自分を押し殺す必要がなくなります。感情は抑圧すると何らかの形で漏れ出てきます。心身の病などはその例の一つと言われています。感情を健康的に感じて上手に表出することは論理的意思決定に役立つのみならず、心の平和、そして世界の平和に繋がるのかもしれません。

相手に会ったときの快不快を頼りに、相手が信頼に値するかどうかを判断することができるようになるためにも、自分が感じている感情を大切にすることが重要なのではないでしょうか。

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